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就労移行支援について~サービスの内容・利用手続きなど~

就労移行支援 イメージ

ごきげんよう、ゆーひーです。

今回は、私も利用経験がある「就労移行支援」という障害福祉サービスについてお話しします。

これは一言で言えば、就労を希望する障害者に対して就労に必要な知識・能力の向上を図る訓練を提供するサービスです。

このサービスについて、利用経験者としてその内容をまとめております。

あくまで元利用者によるものですので専門的な観点からのお話ではありませんが、何かの参考になれば幸いです。

概要

初めに就労移行支援の概要です。

制度的な位置づけで言えば、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)における「自立支援給付」の内、「訓練等給付」と呼ばれるサービスの一環になります。

法文上では、次のように定められています。

この法律において「就労移行支援」とは、就労を希望する障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。

出典:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号) 第五条十三項(e-Govウェブサイト>法令検索より)
(http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=417AC0000000123)(2018年4月7日に利用)

厚生労働省における説明では、次のようになっています。

就労を希望する65歳未満の障害者であって、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者につき、生産活動、職場体験その他の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、求職活動に関する支援、その適性に応じた職場の開拓、就職後における職場への定着のために必要な相談、その他の必要な支援を行います。

【対象者】 就労を希望する65歳未満の障害者であって、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者。具体的には次のような例が挙げられます。
(1) 就労を希望する者であって、単独で就労することが困難であるため、就労に必要な知識及び技術の習得若しくは就労先の紹介その他の支援が必要な65歳未満の者
(2) あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又は灸師免許を取得することにより、就労を希望する者

引用:厚生労働省>障害福祉サービスについて

引用にある「通常の事業所」とは一般企業等(障害者雇用枠含む)のことで、主にそちらでの就労を希望する障害者の方に、各種訓練を行ったり求職活動がきちんと行えるよう様々な支援をしてくれるのが就労移行支援ということですね。

また、同サービスを提供しているのは、就労移行支援としての指定を(申請して)受けた法人が運営している事業所です。

就労移行支援事業所」と呼ばれますが、同系統のサービスである就労継続支援も併せて提供している所も多いため、「就労支援事業所」と呼ばれることもあります。

法人の形態は様々で、株式会社等の民間企業や社会福祉法人、NPO法人などが運営しています。

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利用の対象者

就労移行支援を利用できる方は、前項の引用にも「就労を希望する65歳未満の障害者であって、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者」とありますが、基本的に障害の種別は問われません。

身体・知的・精神(発達障害含む)いずれかの障害や難病等のある方が利用できます。

障害者手帳を持っている場合は当然提示する必要があるでしょうが、手帳を所持していなくても利用が可能な場合があります。

この点はお住まいの自治体によって判断されると思われますので、(手帳を所持していなくて)利用をお考えの方は、自治体の障害福祉関係部署等にお問い合わせください。
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具体的なサービス内容

ここまでで大まかなところは分かると思いますが、実際にどのような事を行うのかまでは実際に利用しないと知り得ない部分も多いですよね。

ここでは具体的なサービス内容について、いくつかの項目に分けてまとめております。

職業訓練

まずは、就労移行支援において最も多くの時間を費やすであろう職業訓練です。

「職業訓練」という名称は説明の便宜上用いているに過ぎず、一般的な職業訓練(公共職業訓練等)を指してはいません。

学習や生産活動を通して、就労に必要な知識・技能を身につけていきます。

学習内容としては、WordやExcelを初めとしたパソコンスキルの習得やビジネスマナーの指導などが挙げられます。

ある程度職業能力が身についてきたら、短期間一般企業等へ実際の仕事を体験しに行く「実習」を行う場合もあります。

各種作業に取り組むこともあり、郵便物の封入や商品の梱包、物作りなど事業所によって様々な活動を実施しています。

その際に他の利用者の方と共同で作業する場合も少なくないでしょうから、同時にコミュニケーションの訓練にもなり得るでしょう。

なお、就労経験がなかったり(あるいは浅かったり)ブランクが長い方には、まずは短時間もしくは毎日でなくても安定して通所するところからのスタートとなるはずです。

これらの訓練について、どのようなプログラムになっているかは本当に事業所によって様々ですので、ある程度自分に合っていると思う所に目星を付けて事業所選びをしたいものです。

求職活動の支援

求職活動に際する支援も、就労移行支援事業所の重要な役割です。

まずは、履歴書・職務経歴書等の書類作成指導や面接の対策といった、求人へ応募するに当たって心得ておくべき事についての支援が行われます。

また、ハローワークや障害者就業・生活支援センター、障害者職業センターといった各種就労支援機関とも連携しているでしょうから、就業に向けた幅広いサポートを受けられます。

特にハローワークは実際の求人応募で活用することになりますが、就労移行支援事業所の職員の方が同行してくれる時もあります(私も同行してもらったことがあります)。

ハローワークで障害者専用求人に応募する場合は、障害者として求職申込をした上で「専門援助部門」の該当窓口を訪れることになります。

他にも、障害者を対象とした合同企業説明会などの求人に関する情報が、随時事業所に入ってくることでしょう。

これらの支援ももちろん事業所によって幅があるでしょうが、少なくとも「どのように就職活動・準備をしたらいいか分からない」という場合でも、(そもそもそこからの支援を想定しているはずなので)安心して利用できます。

定着支援

ここまでは就職するまでの内容ですが、無事に就職が決定した後の支援も就労移行支援事業所の役割に含まれます。

これは一般的に「定着支援」と呼ばれ、就職した職場で上手くやっていけるか、何か困り事はないか、などといった点で利用者が継続的に就労を続けられるようにサポートを行うものです。

就職した本人はもちろん、就職先の企業等とも連絡を取って相談に乗ることもあるようです。

私は結局一般の事業所(民間企業等)に就職できなかったので実感としては存じませんが、私が通所していた就労移行支援事業所の職員さんが就職後の(元)利用者の方と連絡を取り合っているのを見聞きしたことはあります。

事業所によってある程度の期間は決まっているでしょうが、就職した後でも相談に乗ってもらえるというのは心強いですね。

利用期間

就労移行支援には利用期間が定められており、その標準利用期間は基本的に2年間です。

必要性が認められれば最大1年の延長が可能となる場合もあります。

ただしその更新が認められるための基準はなかなか厳しいようで、私は事業所在籍当時から今に至るまで、延長されたケースを一度も見聞きしたことがありません…

利用を考える場合は、原則2年間ということを念頭に置いておくと良いでしょう。

ちなみに事業所への通所ペースですが、基本的には週5日~6日となっている所が多いと思われます。

…が、もちろん障害の状況などによってそれが難しい方も当然おられるので、通所開始後しばらくは週2~3日あるいは短時間での通所にしてもらうといったことは可能です(詳細は事業所によります)。

私が通所していた事業所でも、先輩利用者で「最初は週3日からの通所にしてもらってた」という方がいらっしゃいました。

利用料金

就労移行支援を含む障害福祉サービスにおいては、利用者負担額が定められています。

負担上限月額において、次の4つの区分があります。

※「区分名/世帯の収入状況(補足)・・・負担上限月額」という並びで記載しています。


  • 生活保護/生活保護受給世帯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0円
  • 低所得/市町村民税非課税世帯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0円
  • 一般1/市町村民税課税世帯(収入が概ね600万円以下)・・・・9,300円
  • 一般2/上記以外・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37,200円

ただ、ここで言う「世帯」の範囲は(18歳未満の方を除いて)「障害のある方とその配偶者」となっているため、実質的には自己負担なく利用している方が多いようです。

私も自己負担はありませんでした(当時収入はありませんでしたし配偶者もいないので…)。

※利用者負担の詳細については、障害者の利用者負担(厚生労働省)もご参照ください。

利用手続きについて

ここからは、就労移行支援の利用手続きについてまとめております。

ただ、手続きの流れはある程度決まってはいるものの、明確にこの手順を踏まなければならないといったようなことはなく、利用に至るまでの経路は様々なパターンがあるようです。

役所へ相談に行ってどんな事業所があるか知るところから始まる場合もあれば、予め行ってみたいと考えている事業所を(自分で調べるなりして)絞り込んでいて直接問い合わせる場合もあるでしょう。

医療機関その他の紹介で行くことになる場合もあるかもしれません。

私などはちょっと変わった例で、当初は就労継続支援A型も行っていた事業所にそちらを利用するつもりでハローワークを通して応募したんですよ。

で、面接を終えて後日採用の連絡があったのは良かったのですが、あちらの判断で「あなたの場合は就労移行の方が良いのでは?」みたいな事を言われて就労移行支援を利用することになりましたからねw

まぁ当時の私はあまり違いがよく分かっていませんでしたし、今思えばそこで移行支援の方を利用して良かったとは思っているので特に後悔などはありませんが…

というわけで、一応手順を簡単に示してはいますが、あくまで一つのパターンだとお考えの上でご覧ください。

なお、就労移行支援の存在だけは知っているけれどもどんな事業所があるかは知らない、というパターンを想定しています。


①居住する自治体の障害福祉窓口へ就労移行支援を利用したい旨の相談に行き説明を受ける(この時に近隣の事業所の一覧などを渡してくれるはずです)

②行ってみたいと思った就労移行支援事業所にお問い合わせ&見学の申し込み

③事業所の見学を行い、説明などを受ける

④事業所の体験利用を行う(自分に合っているかどうかなどを確かめるため)

⑤③~④を経て良さげであれば、自治体の障害福祉窓口で利用したい事業所を伝えた上で「※1障害福祉サービス受給者証」の申請を行う

⑥「※2計画相談支援」を行う「※3指定特定相談支援事業者(所)」と面談をする

⑦⑥を経て支給が認められれば、障害福祉サービス受給者証が自治体より発行される

⑧利用予定の就労移行支援事業所と利用契約を結び、利用開始


という感じになるのかな…と(後述する「計画相談支援」を利用した場合の流れです)。

聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれない用語については太字にしているので、補足で簡単に触れておきます。

※1 障害福祉サービス受給者証

これは、障害者の方が受けることのできる様々な障害福祉サービスを受けるに当たって必要となるものです。

今回取り上げている就労移行支援も含めた(障害者の)就労支援系サービスを受ける際も必ず必要となります。

これが発行されて初めて正式にサービスを利用できるので、就労移行支援の利用契約時に提示しなければなりません。

受給者証の申請から発行までは、(自治体にもよりますが)およそ1ヶ月ほどかかるようです。

必要時以外は基本的に自分で管理しておくことになると思いますので、なくさないように保管しておきましょう。

※2 計画相談支援

障害福祉サービスを利用しようとしている障害者の方と面談して聞き取り調査をしたり、サービスの利用計画(「サービス等利用計画」という)を作成したりする支援のことです。

サービス利用開始後も一定期間ごとに利用者と面談を行って、都度サービス等利用計画の見直しなどを行います。

必要に応じて、サービスを提供している事業所(この場合は就労移行支援事業所)との連絡調整も行います。

後述の「指定特定相談支援事業者(所)」に所属している相談支援専門員の方が担当することになります。

※3 指定特定相談支援事業者(所)

※2を含めた相談支援事業を行う、自治体から指定を受けた事業者です。

障害福祉サービスを利用して計画相談支援を受ける場合、ここの職員の方に面談やサービス等利用計画の作成などでお世話になるでしょう。

先述のようにサービス利用開始後も定期的に面談が行われるので、たとえば利用している就労移行支援事業所で困った事があるけれどもそこの人には言えない…といった場合にはこちらの方に相談しましょう。

相談支援事業には、こちらの「特定相談支援事業」の他に「一般相談支援事業」もありますが、ここではあまり関係ないかと思われますので特に触れておりません。

終わりに

以上、「就労移行支援」について私なりにまとめてみました。

事業所のプログラム内容にしても利用までの手続きにしても、各利用者及び事業所、居住の自治体などによって細かい点が異なってくる部分はあるでしょうから、一当事者の私にはこれが限界です(笑)

さてこの就労移行支援ですが、利用が推奨されるのはもちろん「一般企業等での就労意欲があって事業所に通える程度には状態が安定している人」です。

先述のように、初めは短い時間からの利用ができるなどある程度柔軟には対応できるでしょうが、最低限事業所に通所してプログラムを行えるくらいに状態が安定していなければ利用は難しいでしょう(その点は事前の面談等で判断してもらえるとは思いますが)。

しかし本気で就労を目指している方の強い味方になってくれるのは(よほど質の低い事業所でなければ)間違いありません。

そして何らかの事情で(利用を終えた時点では)結果的に就職できなくても、そこで学んだ事が消えるわけではないので後の糧にきっとなるはずです。

…と、就労移行支援からそのまま一般就労に繋げられなかった私が言っても説得力ゼロではありますけどね(^_^;)

ですが、それまで私は自分が(特に社会生活においては)何もできない人間だと思い込んでいたのですが、就労移行支援を経て「そんなことはなかった」と思うことができたのは本当です。

これから再びしっかりと社会生活に身を置くに当たり、「あそこに通っていて良かった」という気持ちはさらに大きくなってくるのではないかと思っています。

…最後個人的な話になってしまってすみません<m(__)m>

就労移行支援にご興味のある方は、余裕があればご自身でも色々と調べてみてくださいね。


※その他私が利用経験がある障害福祉関係制度・サービスをざっとまとめたものもあります。

精神障害をお持ちの方ならば、是非とも知っておくべき障害福祉関係の制度・サービスについてまとめた記事です。私が経験・利用したことがあるものを中心に記載しており、現時点では、精神障害者保健福祉手帳・自立支援医療制度・障害年金・就労移行支援・就労継続支援の概要についてまとめています。

それでは、今日はここまで。

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